EV優遇条件を緩和、工場投資を喚起(24年1月10日)
インドネシア政府は、電気自動車(EV)工場の建設を計画している自動車メーカーに対し、当面は輸入完成車(CBU)や国産化率が低い組立車両でも優遇が受けられるよう優遇規則を緩和した。インドネシアをEVの一大生産国とする戦略の一環で、投資に関心を示す米テスラや中国・比亜迪(BYD)などを呼び込みたい考え。9日付テンポなどが伝えた。自動車奢侈税(PPnBM)を軽減する形で2025年末まで優遇する。対象は、EV組立工場の建設・拡張を計画しているメーカーや既に稼働しているメーカーで、投資規模などによって優遇度合いが変わる。優遇を受けるメーカーは27年末までに工場を稼働することが求められる。
政府はこれまでもEVや電動バイクに対する付加価値税(VAT)減税や補助金給付といった優遇策を講じてきたが、国産化率40%以上とする厳しい条件がネックとなり、需要喚起の効果は限定的だった。EV部品の輸入関税については、23年までに国産化率を40%とすることを条件に免除していたが、期限を今回3年伸ばした。また24年としていた国産化率60%の期限は今回、27年に伸ばした。
政府は、EVの国内生産台数を30年までに60万台とする目標を掲げる。23年上半期に売れたEVの100倍に上る規模で、実現に向けて外国メーカーの投資を誘致したい考え。
国内では現在、韓国の現代自動車や中国・上汽通用五菱(SGMW)などがEVを生産。また、「ナタ汽車(NETA)」ブランドを持つ中国・合衆新能源汽車が地場ハンダル・インドネシア・モーター(HIM)を通して生産する準備を整えているほか、テスラやBYDも投資に関心を持つとされる。
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